ノノウ巫女とは、「口寄せ」と呼ばれる霊媒祈祷を行いながら全国をめぐった巫女たちのことで、この祢津にはその居住地がありました。
彼女たちは「歩き巫女」や「信濃巫女」とも呼ばれていました。
この墓所には、ノノウたちとその宰領を務めた神事舞太夫の墓石が遺されています。
ところで現在NHKで大河ドラマ『どうする家康』が放送中です。
劇中では武田信玄に仕える望月千代女というキャラクターが、他の巫女たちを率いて隠密的行動をしていますが、実は彼女たちこそがノノウ巫女であると言えます。
史実としては怪しいですが、祢津の巫女たちは武田信玄のために「くノ一」的行動をしていたという伝承があるのです。
それはともかく、この地に巫女たちが集住していたのは確かなこと。
明治維新後、廃業して歴史から消えていった女性たちを偲ぶ場所となっています。