びんずる尊者の盗難が話題となっていますが、びんずる尊者以外にも、善光寺本堂内にはいわれのあるものが多くあります。
そのひとつが、親鸞松。
越後に流されていた親鸞聖人は、許されて戻る途中に善光寺に滞在していたといいます。
そしてそのとき、善光寺如来に松を捧げたそうです。
そのため、今でも本堂内のびんずる尊者の左後ろには、絶やすことなく松が活けられており、これを親鸞松といいます。
この親鸞松にはある伝説があります。
江戸時代のはじめ頃、大勧進の大工棟梁で、本堂の雑用に当たっていた常六という男がいました。男が花瓶の底の松葉をかき出していると、親鸞聖人の木像を見つけました。
常六は西尾張部の光蓮寺にその像を持ち込み、それは現在に至るまで安置されているということです。
善光寺には、他にも親鸞聖人の足跡がたくさんあります。
今回の話は小林一郎・小林玲子『伝説の寺、善光寺』(光竜堂)によりました。
詳しく知りたい方は、読んでみてください。